こんにちは。
最近、ちょっと梅雨の匂いがします。
5月25日、ARTZONEでは『「私たち」と「震災」と「芸術」―吉川由美の語る「生きてきた幸せ・生きていく喜び」を共有するために―』トークショーがありました。
公開勉強会第2弾となった今回のゲストは
仙台在住のアートプロデューサー・吉川由美さん。
震災前から宮城県南三陸町で活動をされてきました。
非営利で活動するENVISIの代表もされている吉川さん。
「envision=思い描く」から付けたそうです。
「1枚の町の写真から、どれだけ具体的に思い描くことができるか」と、お客さんに問いかけます。
「きりこプロジェクト」
神棚に貼り、お祝いの意味をもつ飾り・きりこに注目した吉川さんは、街の女性たちに声をかけ、街のお店や旅館に「宝物はなんですか?」などの質問をして回ってもらったそうです。
聞いた話をもとにきりこをデザインして、各々の軒先につけていくというプロジェクトです。
取材してもらう内に見えてきた、隠れていた町の物語。
プロジェクトを通して、人々と相互にコミュニケーションがとれるようになったり、着地型観光について話し合われたりもしたそうです。
そして、震災から1年を振り返って、こどもたちと歌をつくるワークショップをされました。
つくることでどんな意味があるのか、
この環境で本当に行っていいのか、
色んな人と話し合って実現したそうです。
ポジティブなことを集めて歌にしようということで、「どんなことが幸せ?」とこどもたちに聞いたとき
1人の子が答えたのは「明日を生きること」でした。
トークショーでは実際のこどもたちの歌声を、ダイジェストで聴かせてもらいました。
トークショー後は、お菓子をつまみながらの二次会タイムでした。
吉川さんは、「きりこプロジェクトは住民たちそのもの」とおっしゃっていました。
みんなが「当たり前にかなしい」。
その現実を間のあたりにされた時、次の1歩を踏み出さなくてはと感じたそうです。
町の人たちが主体的に活動するプロセスの中で、「今ここから生きていく」きっかけになれたら、と願っておられます。
被災地で暮らしておられる方だからこそ語ることができる「幸せとはなにか」を聞くことができたのではないでしょうか。
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次回、Lesson3もぜひお越しください。
撮影:早瀬道生
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